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活動表彰部門 |
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次世代支援部門 |
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公益財団法人
「雨煙別小学校 コカ・コーラ環境ハウス」(北海道夕張郡栗山町)において、
本年度は、105団体(活動表彰部門:77団体、次世代支援部門:28団体)の中から選ばれた小学生から高校生までの15団体(活動表彰部門:10団体、次世代支援部門:5団体)が8月9日の最終選考会に臨み、各団体が手掛ける環境活動の実績や成果、今後の企画を発表しました。
厳正な審査の結果、
最終選考会では、各ノミネート団体によるプレゼンテーションの後、他団体や来場者との質疑応答の時間が設けられ、お互いの活動に対する意見交換などをおこないました。また、今回初めての取り組みとして、選考委員以外の財団理事、ノミネート団体、栗山町関係者、一般来場者らが投票するという形式で選考がおこなわれました。選考会後、水循環を体感できる教育プログラム「水の旅」や、栗山町の里山であるハサンベツでの自然体験学習などを実施しました。
8月8日から10日にわたりおこなわれた今回のプログラムでは、最終選考の実施のみならず、参加15団体が北海道・栗山町の自然の中で交流しました。将来にわたり環境保全・環境啓発に向けた取り組みを共におこなっていくための礎となることを目的に、事前に作成した壁新聞での活動の紹介や、環境体験学習などをおこないました。最終日には3日間で学んだこと、今後自らの団体の参考にしたい他団体の取り組みなどを発表し、2泊3日のプログラムを終了しました。
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表彰式の様子 |
質疑応答の様子 |
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教育プログラム「水の旅」 |
ハサンベツでの体験プログラム |
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壁新聞 |
最終日の様子 |
■ 「活動表彰部門」最優秀賞
七尾市立天神山小学校(石川県七尾市)
活動内容:
地域の城山や大谷川を世界農業遺産「能登の里山里海」にふさわしいものにすべく、6年生が中心となり、学校内にとどまらず、地域と連携して実態調査や清掃活動に取り組んでいる。また、大谷川への鮭・鯉・ヒラメなど成育・放流も実施。今年度は地域への広報活動の充実を図るとともに、「漁民の森」の植樹を行い、緑化保全活動を続けている。
最優秀賞受賞団体コメント:
受賞できると思っていなかったので嬉しいです。信じられません。
■ 「次世代支援部門」最優秀賞
青森県立五所川原農林高等学校(青森県五所川原市)
活動内容:
水田に地下かんがいを導入することで、水田と畑を交互に利用することができる。このシステムは、用水を水田の地表面に入水させるのではなく、地中に埋め込んだコルゲート管から入水し、毛管現象によって地表面に上昇させる方式である。これにより、水位を自在にコントロールできることから、田畑輪換が可能となり、水田(畑)で稲作と大豆を交互に栽培できるようになる。これにより、雑草の抑制や農薬の軽減、水質浄化の効果が期待できる。また、大豆の根粒菌による窒素固定により、肥料の軽減にもつながり、環境に優しい農業が可能になる。化学肥料に頼らない持続可能な農業を研究した成果を広く全国にPRし、このシステムの普及を目指す。
最優秀賞受賞団体コメント:
自分たちの活動の成果が出たので嬉しいです。
■
どの企画も非常に優れており、非常に悩ましい選考となりました。
受賞者並びに参加された皆様には環境についての次世代のリーダーとして、それぞれの地域に戻ってからも活動を広げ、啓発を行っていく事で、より良い日本にして頂きたいと思います。
活動表彰部門について
土の中の微生物・動植物などの自然の恵みにより、「豊かな地域文化」が作られますが、特に七尾市立天神山小学校は地域の方との取り組みの他、「山の恵みから海の恵みへ」という循環の仕組みが考えられていたことから選ばせて頂きました。
次世代支援部門について
既存の技術ではあるものの、地域に合った仕組みを取り上げたこと、またそれを普及させていくためのシミュレーションがきちんとされていたこと、地域活性化としてのモデルの一つであると考えられること、などから選ばせて頂きました。
活動表彰部門 (対象:小中学生及びその指導者) | ||
帯広市立帯広第八中学校(帯広市) | 帯広の豊かな自然環境を体験する活動を開始。現在は、「帯広第八中学校自然観察少年団」として、サケの受精・孵化・飼育・観察・放流に取り組んでいる。また、大山緑地と若葉の森の水位測定、植物・小動物の分布把握、ハンドブック制作などを行う「大山緑地と若葉の森を愛する会」への協力のほか、自然観察、帯広市の川の水質調査なども実施している。 | |
山形県 | 川西町立大塚小学校(東置賜郡) | 毎年3年生が、地域の素晴らしさや命の大切さを学習するために、「チョウセンアカシジミ観察」に取り組んでいる。総合学習の一環として、地域の「チョウセンアカシジミを守る会かわにし」の支援を得て、幼虫や成虫の観察、卵数調査などを実施。さらに、活動の延長として、数年前から4年生が地元河川の環境を守る活動を行っている。 |
福島県 | 福島県郡山市立湖南小学校 エコクラブ(郡山市) |
長年にわたり猪苗代湖に注ぐ舟津川や、猪苗代湖に面している鬼沼の水質調査および水生生物調査を行うなど、環境学習に積極的に取り組んでいる。毎年4年生全員が子どもエコクラブに登録し、猪苗代湖の水環境と自然保護をテーマに、環境調査と保護活動を実施。猪苗代湖の水質を守る活動につなげている。 |
茨城県 | 大洗町立大洗小学校(東茨城郡) | 絶滅危惧種になっているハマビシの苗を2011年に譲り受け、再生活動を開始。現在も、学校花壇で栽培に取り組んでいる。ハマビシは1960年ごろまでは本町大貫海岸に自生していた(北限地)。自生していた頃と現在の大貫海岸の環境の違いを調べ、貴重な海浜植物を守っていくためにできることは何か環境面からの研究している。 |
兵庫県 | 日本有数の里山を再生するため、兵庫県川西市黒川地区で放置された里山の整備保全を行う。小学校1年生の時に4年生から発芽したばかりのクヌギの苗を引き継ぎ、校庭の苗床で2年間育て、3年生で里山に植樹する。3年生は年間4度、4年生は2度里山を訪れ、下草刈りを行うとともに、クヌギの原木の炭焼、薪、椎茸狩りなどを経験しながら、人と自然との関係を学んでいる。 | |
岡山県 | 岡山市立竹枝小学校 ふるさと再生推進協議会(岡山市) |
児童と人、社会、自然環境とのつながりを育むため、学校と地域が協力し、米や野菜を栽培している。また、環境学習のため、稲刈り後の田んぼに水を入れ、水辺の生き物のすみかなどにしている。そのほか、「進め 竹枝っ子 いきいき笑顔で 豊かな未来へ」の研究テーマのもと、ユネスコスクールに登録し、岡山市が推進する持続発展教育(ESD)の中核校として実践に取り組んでいる。 |
福岡県 | 北九州市立すがお小学校(北九州市) | 学校周辺の紫川でゴミ拾いなどの清掃美化活動を実施。また、学年ごとに紫川での体感や地域の歴史や名所の調査、蛍の生態や現状についての学習、紫川の水質調査や浄化活動に取り組んでいる。同時に、紫川の水を活用して小麦、米、大豆を栽培し、パンやうどん、味噌や豆腐などを作り、保護者や地域の方々を招待して「ふるさとふれあい収穫祭」を開催している。 |
大分県 | 大分県立佐伯支援学校(佐伯市) | 林業や水産業にたずさわる方の話を聞き、その仕事を一緒に体験することにより、かけがえのない自然を守ろうとする姿勢を育てる。漁業体験を主体に、自然体験学習と校外宿泊学習での登山体験、集めたドングリの栽培に取り組んでいる。また、地元の方からクヌギの木を提供してもらい「シイタケコマ打ち体験」を行い、生徒たち管理のもと栽培している。 |
沖縄県 | 沖縄県大宜味村立喜如嘉小学校 (国頭郡) |
沖縄本島北部の山原(やんばる)と呼ばれる希少な野生生物の生息する地域にあり、校庭では絶滅危惧種であるノグチゲラの親子を見ることができる。児童に自然の素晴らしさや環境問題への気づきを与え、主体的に自然保護に取り組む態度や、自分たちの生まれ育った地域を大切にする心情を育てるため、自然豊かな環境を活かした野鳥観察やその活動報告、自然保護活動を行う。 |
次世代支援部門 (対象:高校生・大学生) | ||
宮城県 | 宮城県農業高等学校科学部 復興プロジェクトチーム(名取市) |
津波による浸水被害を受けた桜を後世に残すため、保存プロジェクトを立ち上げ、新校舎への植樹を目指して活動を行う。樹の治療や組織培養法による苗の育成などの活動を紹介することで、校内では、復興桜の思いをつなぎ、記念樹として学校交流の期待も寄せられている。環境変化の調査で塩害の影響を知り、樹の治療や土壌改良を継続している。開発した「宮農式環境保全型桜システム植栽法」では木質ガレキや想定外の植え方が注目される。浸水被害地へ赴き、苗の購入についてのアドバイスや手作り新聞の配布なども行う。 |
岐阜県 | 岐阜県立大垣養老高等学校 |
成分分析と微生物利用、食品加工の技術を生かし、地元をテーマに研究を行う。地元の滝や湧き水からアルコール発酵性酵母を分離し、その菌を使った酒造りやパンの発酵試験を実施。酒造りでは、地元のみかん果汁に培養した分離菌を加え、アルコール量を測定した。またパン作りでは、集菌した分離酵母を原料に添加し、パン生地を作り、発酵して焼き上げを行った。その他、名水100選である地元の湧き水「菊水和泉」の水質調査や地元で栽培した米や大豆を原料とした麹作りも行う。さらに、湧き水を食塩に混ぜ、熟成させて作ったしょう油を学校の給食で利用し、参加生徒の家庭で使用している。 |
大阪府 | 学校法人清風学園清風高校 生物部(大阪市) |
絶滅危惧種であるニッポンバラタナゴの保護池で定期調査、保護、研究を行い、主にドブガイ、ヨシノボリ、植物プランクトンや動物プランクトン、グロキディウムの状況や産卵状況、ケイソウなどの水生物などの状況を調査している。その他、どび流し、水中撮影、繁殖行動観察、増えすぎたザリガニの捕獲など季節ごとの調査内容も異なる。今回の研究では、珪藻を食性とするドブガイに藍藻の発生を抑制、除去する研究を実施し、富栄養化したため池で生態系を壊さずアオコを凝集、浮上、除去方法を開発し、リンを再利用する可能性を探りたい。 |
沖縄県 | 八重山農林高等学校 環境工学部(石垣市) |
沖縄県には世界有数のサンゴ郡があり、生物多様性、地球温暖化防止にとって重要な役割を果たしている。しかし近年、農作物の育成に欠かせない国頭マージとよばれる赤土が海に流失し、深刻な環境問題となっている。赤土による海の汚染は、サンゴの死滅や産業の衰退、地球温暖化へとつながっていく。美しい自然環境を次世代に残し、温暖化を抑制する美しいサンゴの海を守るため、地域や教育機関と連携を取り、土壌流失を抑止する研究活動に取り組む。 |
名称 | 第21回 |
主催 | 公益財団法人 |
部門 | <活動表彰部門> 小中学生とその指導者を対象として環境教育・環境保全活動の実績を顕彰 |
<次世代支援部門> 高校生および大学生による環境保全・環境啓発に寄与する新しい企画を評価、支援 |
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支援内容 | <活動表彰部門> 最優秀賞(1組) 活動助成金30万円 優秀賞(9組) 10万円 |
<次世代支援部門> 最優秀賞(1組) 企画支援金50万円 優秀賞(4組) 30万円 |
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